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秋だいぶ

2006年10月16日 16:38

咳は止まらないですが、あいかわらずの毎日を送っております。
日曜にかてきょを済ませられたので、気分的に比較的楽ですね。
これからも休みの日にかためて用事を済ませられるとよいのですが。

さて、読書の秋やからというわけではないですが、
本を読みたい欲はあいかわらずそれなりにあります。

えらく昔に買っていながら、今まで進まなかった本の一つを読みました。
ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン
田中 美知太郎、池田 美恵 他 (1968/08)
新潮社

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多分浪人時代ぐらいまでさかのぼりそうな。
どうも読みづらくて途中で挫折していた本です。

でも、こんなに影響力のある人ですからね。
久々に挑戦したら、読めました。

形式は
「ソークラテースの弁明」が文字通り死罪を求刑されたソークラテースの裁判での様子、
「クリトーン」が脱獄をすすめる親友を、逆に説得するところ、
「パイドーン」がソークラテースの死後、その死に際するところを、
パイドーンがそのつれに話すところ。
「ソークラテースの弁明」が若干とっつきにくかったですが、
それ以外はすらすらと。
なんか訳が悪いように思いました。
~です、と~だが不自然なぐらい混ざっているのですよ。


我々のソクラテス観てのは、結構淡白なものでしょう。
無知の知、とか、悪法もまた法なり、とかそんな感じ。
私の読む動機づけとしては、思想史的なものに興味をもっていながら、
やはり哲学の祖を全く知らないという事はよくないなぐらいでした。

でも、内容は、かなり予想とは違いました。
いい意味で、期待を裏切られたといいますか。
興味深い事が多くありましたねぇ。

そんなに新鮮な考え方はなかったのですがね。
むしろ、論理としてはまだまだ不十分なところがあるように思います。

ただ、それに対するスタンスがちゃんとしているのです。
前提があって、それから導かれることがらを論理的に予想し、
それが実際と矛盾するとか、論理が間違っているとしたら、
その結論には固執せず新しい論理や前提を吟味する。
そのスタンスてのは、哲学というよりもむしろ科学に近いようにも思いました。

まぁ古代ギリシャなので、当然前提には多少不備はあると思います。
自然に対する知識というだけならば現代の方がきっと多いですから。


他にもいろいろ興味深い話はありました。
私は知らなかったのですが、
その当時のギリシャでは輪廻の思想は自然な発想であったようです。
でも、筆者がプラトンやからかもしれませんが、
イデア世界というか天国というか、そういうものも受け入れられている。
さらに、ギリシャの多神教の神々もいるのです。
いまやと矛盾しそうな思想ですが、ここでは両立して受け入れられています。

また、ソクラテスの世界観、これは「証明するには難しいのだが」と述べているように、
むしろ彼の信念的なところであるかもしれないのですが、
そこでの地球は球体でした。
私は平面が旧体制では当然やと思っていたのですがねぇ。
違うようです。

そして、そもそもの興味である哲学に関するところ。
これは、「哲学」を「キリスト教」と読み替えても十分大丈夫なほど、
宗教的な感覚がありました。
まぁ、吟味ということを非常に重視しているあたりは違うかもしれませんが。
でも、肉体蔑視とか死後の世界観とかは非常に近いような。

今は哲学と宗教は完全に分離していますが、
ここではほとんどそれらが一体と化しているわけです。


いやはや、ここには哲学もあれば宗教もあります。
そして輪廻も天国も、イデアもあります。
なんか、ここに一つの思想と結びつくものの
アーキタイプがあるのではないだろうかと思いました。


あとは、ソクラテスに対する人たちは、ソフィストですね。
教科書に書いてありました。
人間は万物の尺度である、とかそんな感じです。
もっと現実、というものに目をむけよという感じなのですかね。

これ、思っていたのですが、実存主義的な要素をもっているのでは。
違うかもしれませんがね。
より現実的になるというか、肉体にも非常に意味をもたせるとか、
きっと共通点はあると思います。

まぁそんなわけで、我々はソフィストと共通したものをもってるのかもしれません。
そういうものを真っ向から否定するソクラテス・プラトンの思想は、
我々に直接きいてくるものもあるのかもしれませんなぁ。


うーむ、まとまりがありませんな。
ま、きっと理解力が不足しているので、わかりにくいのでしょう。
頭よくなりて。

あと、最後に、やはりまわりの人たちはソクラテスの死に際して泣いていましたよ。
彼自身は非常に凛としていましたが、まわりは最後の最後ではやはり悲しんでいました。
私にはそれは、ほっとさせられるように思いました。
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