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蒸着アナロジー

2006年08月10日 01:43

覇気がないと昨日言っていたのに、本日二回目です。
まぁ、一応日が変わっていますが。
やはり、はきだめなようですよ。


今日は有機薄膜の蒸着。
通常は大体8時間コース、10時間コース、12時間コースの3つ程度です。
最近は装置の調子もよく、なんだかんだで8時間コースがほとんどでした。

しかし、この蒸着、延長もできるのですよ。
今日は所定の膜厚を得たのですが、そのときのレートが安定していまして、
それなら歩留まりも上がるし、うまくやればX線もはかれるのではと、
延長を申し込みました。

そうすると、今度はいつまで延長するかという話になるのですよ。

さて、いつ終わるのやら。すでに5時間ほど延長しています。
ただ、るつぼの温度が高くて、果たして何が飛んでいるのやらという話です。


アナロジーというものがあります。
類推、ですかね、日本語訳。

何かしら別の事象を用いて、他の事象を文字通り類推する行為です。

電気電子トークも遠くはこれに属すると思っていますし、
万有引力の式と電荷同士の力の式があれほど似ているのも、
万有引力の式をもとに類推しているので当然といえば当然なのです。

何かを何かと重ねあわせて考えるというわけです。


そういうわけで、今日も蒸着しながら考え事をしていたわけですよ。

蒸着、とくにこの有機の蒸着は、低いレートでやっています。
1秒に0.1Åをきるような、何が飛んでいるんだというレート。

でも、そのわずかな分子達が積み重なって、数100nmになるのですよね。
そして、いろんな機能を発現するわけで。なんともけなげなものです。


我々の人生もそんな風にありたいと思っているのですよ。

ほんまに積み重なっているのかわからんようなものを積み重ね、
すこしずつすこしずつ膜厚をかせいでいく。
そしてそれはアセトンの一滴で溶けてしまうほどはかないわけで。

もっとはやいレートでもええでしょうし、革新的な成膜プロセスてのもあると思います。

でも、そういうものを創造するためには、そのメカニズムを知る必要があって、
そのフィードバックがあってはじめて新しい段階へいけると思うのですよ。


もう一つ、エピタキシャル成長というものがあります。

これは、基板の性質を引き継いで膜ができていくというもので、
かなりいろいろなところで行われています。

そしてさらには、基板にはじめから構造をつくってしまって、
それで膜を制御するというのもあります。
以前の研究室でもやっていましたし、今の研究室でもやりたがっています。


こういうのも、我々の生活にたいしてアナロジー的に使えます。

つまりは、幼少期やもう少し先の教育というものです。

結局のところ、我々は知識や経験をどんどん積んでいくわけですが、
それはあくまでも基板の上に、なのですよ。
知識や経験は、解釈し自分のものにするまででひとくくりなのです。

平坦な基板が必ずよいわけでもないし、
表面がいびつな基板はやはりあまりよくありません。

エピタキシャル成長も、見方によっては頑なともとれます。

そういう基板をつくるのが教育であるとすると、
教育てのはほんまに重要なんやなと思うわけですよ。蒸着しながら。


ただ、アナロジーは決して結論ではなくて、あくまで類推です。
当然差異はあります。

我々は、成長途中でも基板をかえることが可能ナノですよ。


というわけで、また長くなってしまいました。
これ最後まで読む人いるのでしょうか。


追伸:
Aジアジア、8月は生ビール平日100円、金土日は半額だそうです。
…しゃあなしで飲みにいきましょうか。
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