裁判調
私、脳は良心にのっとって嘘偽りなく証言することを宣誓します。
― まず、あなたがこの本を読もうと思ったきっかけを言ってください。
はい、私は当初この本を買う気ではありませんでした。
古本屋にいったとき、たまたま安く揃っていたためというのが正直なところです。
私は普段ドラマを見ませんので、
大変有名であるこの話を知っておく事も重要であるというのもありました。
― それはいつですか?
はい、8月の最後であったと記憶しています。
給料がでると私は本屋にいくので、間違いありません。
― あなたは他にも彼女の作品を読んでいますね?
はい、『大地の子』を読んでいます。
最近亡くなった、瀬島龍三がモデルという『不毛地帯』にも興味を持っています。
「裁判長!ただいまの発言の後半は質問には全く関係がありません!」
「異議を認めます。証人は質問に正しく答えるように。ビジネスの基本です。」
申し訳ありません。
― 率直な感想をお聞かせ下さい。
はい、全体的に古いところも感じましたが、大変興味深い内容でした。
前回もそうでしたが、多少展開がべたであるにも関わらず、
裁判や病人の描写などで十分に入り込んでしまう内容であったと思います。
病人の描写があるときは大変リアリティにあふれているのに、
これだけ長い話の中でその描写が大変少ないように思いました。
そのあたりが、医者にとっての患者の位置づけなのかと考えさせられました。
私には医学部の友人が多いのですが、
彼・彼女らもまたこれから大変なのだと感じ、
私もがんばらなくてはならないと思わされました。
最近連絡がとれなくなっているので、また連絡をとってみようと思います。
― すこし話がそれているようですが?
はい、申し訳ありません。
ネタバレになるかもしれませんが、上中巻と下巻の雰囲気の隔たりが、
DEATHN○TEの雰囲気に似ているようにも感じました。
「裁判長!ただいまの発言は明らかにネタバレです!」
「異議を認めます。証人は決して核心部分には触れないように。」
申し訳ありません。
― 着地点が見えませんね?
はい、本文の形式を模倣しようとしたところが間違いであったようです。
ただ、一言付け加えさせていただきますと、
私はこの本を読んでいて、自分の価値観のことを考えました。
私は幸福感はおそらく微分的なものであると考えておりまして、
常に何かしらの上昇がある環境が幸福感を最も味わえると思っておりました。
たとえば向上心や好奇心というものは、
それを与えてくれる感情だと思っています。
しかし、この本の主人公である財前氏に抱かれた感情とそういう感情と、
一体どこが違うのでしょうか。
何かを追い求める事は幸福であると同時に、常に渇望している状態であり、
果たしてそれを幸福と感じられるかどうかは、
結局個人の問題に帰するのではと考える事もできると思うのです。
そうなると、私は一体どういったものを求めればよいのか、
そもそも何かを求めることが本当に正しいのか、
そのあたりまで戻って考えなければならないのではないか、
などと考え始めてしまうのです。
― いつものように発散して終わるというわけですね。
わかりました。私の尋問を終わります。
![]() | 白い巨塔 (上巻) 山崎 豊子 (1993/11) 新潮社 この商品の詳細を見る |
![]() | 白い巨塔 (中巻) (新潮文庫) 山崎 豊子 (1993/11) 新潮社 この商品の詳細を見る |
![]() | 白い巨塔 (下巻) 山崎 豊子 (1993/11) 新潮社 この商品の詳細を見る |
― まず、あなたがこの本を読もうと思ったきっかけを言ってください。
はい、私は当初この本を買う気ではありませんでした。
古本屋にいったとき、たまたま安く揃っていたためというのが正直なところです。
私は普段ドラマを見ませんので、
大変有名であるこの話を知っておく事も重要であるというのもありました。
― それはいつですか?
はい、8月の最後であったと記憶しています。
給料がでると私は本屋にいくので、間違いありません。
― あなたは他にも彼女の作品を読んでいますね?
はい、『大地の子』を読んでいます。
最近亡くなった、瀬島龍三がモデルという『不毛地帯』にも興味を持っています。
「裁判長!ただいまの発言の後半は質問には全く関係がありません!」
「異議を認めます。証人は質問に正しく答えるように。ビジネスの基本です。」
申し訳ありません。
― 率直な感想をお聞かせ下さい。
はい、全体的に古いところも感じましたが、大変興味深い内容でした。
前回もそうでしたが、多少展開がべたであるにも関わらず、
裁判や病人の描写などで十分に入り込んでしまう内容であったと思います。
病人の描写があるときは大変リアリティにあふれているのに、
これだけ長い話の中でその描写が大変少ないように思いました。
そのあたりが、医者にとっての患者の位置づけなのかと考えさせられました。
私には医学部の友人が多いのですが、
彼・彼女らもまたこれから大変なのだと感じ、
私もがんばらなくてはならないと思わされました。
最近連絡がとれなくなっているので、また連絡をとってみようと思います。
― すこし話がそれているようですが?
はい、申し訳ありません。
ネタバレになるかもしれませんが、上中巻と下巻の雰囲気の隔たりが、
DEATHN○TEの雰囲気に似ているようにも感じました。
「裁判長!ただいまの発言は明らかにネタバレです!」
「異議を認めます。証人は決して核心部分には触れないように。」
申し訳ありません。
― 着地点が見えませんね?
はい、本文の形式を模倣しようとしたところが間違いであったようです。
ただ、一言付け加えさせていただきますと、
私はこの本を読んでいて、自分の価値観のことを考えました。
私は幸福感はおそらく微分的なものであると考えておりまして、
常に何かしらの上昇がある環境が幸福感を最も味わえると思っておりました。
たとえば向上心や好奇心というものは、
それを与えてくれる感情だと思っています。
しかし、この本の主人公である財前氏に抱かれた感情とそういう感情と、
一体どこが違うのでしょうか。
何かを追い求める事は幸福であると同時に、常に渇望している状態であり、
果たしてそれを幸福と感じられるかどうかは、
結局個人の問題に帰するのではと考える事もできると思うのです。
そうなると、私は一体どういったものを求めればよいのか、
そもそも何かを求めることが本当に正しいのか、
そのあたりまで戻って考えなければならないのではないか、
などと考え始めてしまうのです。
― いつものように発散して終わるというわけですね。
わかりました。私の尋問を終わります。






































![es[エス]](http://images.amazon.com/images/P/B00007FVY3.01._SCMZZZZZZZ_.jpg)
![Dolls [ドールズ]](http://images.amazon.com/images/P/B00006K0HG.01._SCMZZZZZZZ_.jpg)





























